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目黒川沿い / 目黒区青葉台
裏側からの矯正、舌側矯正
矯正装置が見えない、目立たない=裏側からの舌側矯正
お仕事の都合で矯正装置が見えると困る方や、矯正装置を気にしながら生活するのはイヤ、という方には舌側矯正、歯の裏側からの歯列矯正をお勧めします。
表側の矯正装置にどれだけ工夫をしても「見える場所」に装置をつけていることには変わりなく、矯正装置を本質的に目立たなくするには、矯正装置そのものを「歯の裏側」に装着することが効果的です。
裏側からの舌側矯正は、表側からの歯列矯正と比較して技術的な難易度が高いため、治療期間の長期化をご心配される患者さんもいらっしゃいます。しかし実際には、不正咬合のタイプによっては舌側矯正の方が有利な場合もあり、治療方法の長所と短所をよく考慮しながら、必要に応じて矯正用インプラントなどの工夫を加えることで、治療期間には「差がない」と考えて良い状況になっています。
また、舌側矯正の方が、表側の矯正装置よりも虫歯になりにくい、矯正治療による歯並びの改善が顔貌に早期から反映されやすいなどのメリット・特徴もあります。
裏側からの矯正/舌側矯正のメリット
- 矯正装置が歯の裏側なので目立たない、ほとんど見えない。
- 歯の裏側は唾液が多く、虫歯になりにくい。
- 矯正装置が唇や粘膜を傷害しないので、歯並びの変化による顔貌への好ましい影響が早期から得られやすい。
裏側からの矯正/舌側矯正のデメリット
- 矯正装置が内側なので、舌に違和感が生じやすい。
- 歯の内側の歯磨きがしにくい。歯肉炎になりやすい。
- 処置のしにくい場所に矯正装置がついているので、診察の時間が長め。
- 表側の矯正よりも治療費用が高い。
舌側矯正治療の流れ
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検査・診断を行い、治療計画を確定します。
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ブラケットとアーチワイヤーをオーダーメイドするための、精密な歯並びの「型」をとります。
この「型」はドイツのラボに送付され、矯正装置の設計と製作を行います。 -
治療後の状態をシミュレーションして製作される「セットアップ模型」に基づいて、矯正装置が設計されます。
最近では、歯や歯列の形状をデジタルデータ上で処理を行う「デジタルセットアップ」が増えています。 -
約4〜5週後、完成した矯正装置が届きます。
装置が届いたらまず、ブラケットを歯に装着します。 -
ブラケットを装着した状態(矯正治療開始時)です。
ほとんど装置は目立ちません。 -
※抜歯が必要な場合は、ブラケットの装着後に抜歯をします。
抜歯した隙間が目立つ場合は、隙間が目立たないようにシェードをつけます。 -
裏側での治療中の状態です。
矯正装置が目立つことなく、歯列矯正が進行します。
当院の用いる舌側矯正装置・システム
現在では、様々な舌側矯正装置・システムが存在しておりますが、当院では下記の理由に基づき舌側矯正装置ならびに治療システムを選択しています。
当院の舌側矯正装置を選ぶ基準
- 違和感を少なくするには、できるだけ矯正装置が薄いほうが良い
- 正確な歯の移動にも、装置が薄くワイヤーが歯面に近いほうが有利
- 装置が壊れにくいように、歯への接着面積を大きくしたい
- 誤差が少なく精密な矯正装置が望ましい
裏側の矯正、舌側矯正治療では、基本的に必ずセットアップモデルを製作し、これに基づいて矯正装置とアーチワイヤーの設計を行なうのが普通です。したがって、概ねすべての舌側矯正治療は「カスタムメイド」と言える訳です。
舌側矯正装置(カスタムメイド型リンガルブラケット矯正装置)
- 『インコグニト』…治療に用いるブラケットとアーチワイヤーを、患者さんごとにオーダーメイドしてCAD/CAMで製作する点をひとつの大きな特徴としています。
- 『クリッピーL』
- 『アリアス』
カスタムメイド型リンガルブラケット矯正装置『インコグニト』について
- 米3M unitek社の製品の商標で、3Mジャパンから入手しています。
- 国内において薬機法未承認の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
- 材料については日本の薬事認証を得ております。
- 日本国内において承認された同様の医療機器があります。
- 米国では 医療機器として認可され、世界100か国以上の国で使用されており、深刻な副作用の報告はありません。
カスタムメイド型リンガルブラケット矯正装置『インコグニト』
当院の採用するカスタムメイド型リンガルブラケット矯正装置『インコグニト・incognito』は、ヨーロッパでは1990年代から利用されている舌側矯正システムで、患者さんごとに個別の設計にて、非常に精度の良い舌側矯正のブラケットとアーチワイヤーを製作しますので、手技が複雑で難易度の高い舌側矯正治療において様々なメリットをもたらしています。
カスタムメイド型リンガルブラケット矯正装置『インコグニト』の特長
- 歯にあわせて装置の形態を作製するので、既製品の利用と比較して装置が薄くできる
- 同様に接着面積の広いブラケット装置を製作できる
- CAD/CAMで精密に装置が製作され誤差が少ない。トラブルの際の再製作も可能
- アーチワイヤーもオーダーメイドされるため形態の再現性が定量的で正確
患者さんごとに矯正装置を設計製作するシステムは、治療のしやすさや患者さんの快適性に、CAD/CAMを利用した矯正装置の設計製作は、矯正装置の定量的な再現性の向上に寄与しているものと考えております。
日本では2006年に考案者のDr.WiechmannによってはじめてCAD/CAMにより製作された舌側矯正装置(incognito・インコグニト)が紹介された当時、大学矯正科医局員であった私も自身でcertificationを取得し、以降、当院が中目黒で開設となる2008年から時を同じくして日本国内で本格稼働となりましたので、以来積極的にインコグニトでの治療に取り組んでいます。
CAD/CAMによる舌側矯正装置への当院の取り組み
- 2006年にcertificationを取得しました。
- 2008年より日本国内でも本格稼働となりました。
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2009年より、CAD/CAMによる舌側矯正装置(インコグニトなど)に積極的に取り組んでいる先生方を中心に、年2回定期的開催のスタディグループが発足されました。
当院院長も2009年から2018年までこのスタディグループに参加しており、症例発表と討議の通じて情報発信と収集を継続しています。(写真はヴィッヒマン先生、ウー先生、居波先生、杉山先生らと)
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2010年より、日本においてもインコグニトのユーザーミーティング(インコグニトで治療をしているドクター対象のミーティング)が開催されるようになりました。
当院院長は、第2回となる2011年と、第3回の2012年に講演の機会を、第4回ではパネリストとして出席の機会をいただき、僭越ながら、非対称症例への対応、デジタルセットアップの利用などについて、お話をさせていただきました。
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2012年3月には、ドイツでインコグニトのセットアップの責任者を務められていたDr.Thalheimが来日の際に当院にお立ち寄りくださいました。セットアップをはじめとするインコグニトでの治療について有意義なアドバイスとディスカッションをいただきました。
現在では、日本舌側矯正歯科学会の幹事、常任理事など勤めさせていただく中で、CAD/CAMによる舌側矯正装置(インコグニトなど)に限定せず、舌側矯正治療全般について学会運営などの立場からもお手伝いをさせていただいております。
※平成29年医療法等の一部改正、平成25年薬機法公布(旧薬事法)に基づく日本矯正歯科学会の方針に従い、カスタムメイド矯正装置完成物、ならびに商品名の記載等について修正をおこなっています。日本矯正歯科学会の認定医ならびに専門医は、日本矯正歯科学会の倫理規定に準拠する義務を負っています。
治療内容:矯正装置を装着して歯を少しずつ動かし、歯並び・口元を整えていきます。
治療期間及び回数:一般的には動的治療期間2年前後/月に1回の通院・保定期間2年前後/3~6か月に1回の通院
治療費概算(自費):約120~140万円
リスク副作用:
個人差はありますが、初めて装置を付けた時は疼痛や圧迫感などが生じます。
リテーナーを使用しないと後戻りがあります。
治療前後の比較で稀に歯根吸収が見られることがあります。
稀に歯が癒着していた場合、動かないことがあります。
不正咬合の状況により、歯肉退縮やブラックトライアングルが見られる場合があります。